今回は「番外編」です。
(美味しくビールを飲むために)筆者は日常において適度にトレーニングをしていますが、その延長線で定期的に各種レースに出場しています。
いわゆるマラソンのような普通の大会にも参戦しますが、定期的にチャレンジ系の(一般的には変な)大会にも出ています。(100kmマラソンやアイアンマン、4.2km遠泳等々・・・)
今回は、「日本で初めて陸地を走らないマラソン」という面白そうな(?)「別海アイスマラソン」に参戦しましたので紹介します。
(一部の変態系の方にしか刺さらない情報で恐縮です・・・)
凍った海の上を走る変態レース
「別海アイスマラソン」は今回が第1回大会でした。
場所は北海道別海町。大会があった2月の気温はマイナス20度くらいが通常とのこと。
北極圏の定義にはいろいろあるようで、一般的には緯度で定義(北緯66°33′より北)だと思いますが、「流氷があるところ」という定義もあるようです。
その定義に従うと、大会が行われた別海町の野付湾は流氷がある最南の場所ということで、ある意味、北極圏でのマラソンとも言えるとのこと。
実にクレイジーです。ゾクゾクしますね。
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筆者は、こういった変な大会に変な仲間たちと定期的に参戦しています。今回も本大会の開催が決まった直後に情報をキャッチした仲間からお誘いがあり、いつものノリでエントリーしました。
(ちなみに、嫁さんも誘いましたが、「アホちゃうか」と一蹴されたことを補足させて頂きます。)
種目は、フルマラソン、16km、2kmの3つがあり、「まあ、最初だし」ということで、16kmにエントリーしました。
この選択が、実にファインプレーであったことを後々実感することになります。
「フルにエントリーしなくて、マジで良かった・・・」
走り始めて1kmくらいの時点で出た心の叫びです。
正直、なめてました。。
アイスマラソン、やばいです。
ただ、総じて、最高の大会でした(笑)
本大会に興味を持つ変態の方が多数発生し、来年第2回大会が開催されることを祈って、簡単に情報を発信したいと思います。
実際のレースは・・・
本番3日前くらいに別海町の気温を確認すると、マイナス25度でした。。
異次元の寒さだな・・・と、武者震いをしていましたが、そこから急に暖かくなり、当日はマイナス2度程度となりました。
「お、イージーになったやん」
と、レース当日のスタート前には思っていましたが、この後、雪上マラソンに対する想像力が足りていなかったことを痛感することになります。。
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未知の世界でのマラソンですし、第1回大会ということで情報も無かったので、参考になるのは南極マラソン参加者の声くらい。
大会前の準備では、とにかく寒さや雪対策だけしか頭にありませんでした。(実際の装備については、後述します。)
- 寒さに対処しながら、走って暑くなってきたら、温度調整できる装備にすること
- 汗が冷えるとヤバいので、インナーから外に汗を逃すこと
- 雪が靴に入るとヤバそうなので、防水のシューズを準備すること
等々、まあ、誰でも考えるようなことだけ考え、それなりに準備して当日を迎えました。
ただ、実際始まってみると、寒さはあまり問題では無かったです。(それは、気温が高かったということもありますが)
何よりヤバいのは、「地面が雪であること」
いやいや、当たり前やろ、と言われればそうなのですが、この点が最も重大なクレイジーポイントです。
マイナス2度と通常よりも気温が高かったこともあり、地面はいわゆる「普通に積もった雪」という状態。
つまり、足が埋まる。
「雪の上を走ると、足が埋まる(笑)」
この当たり前のことが、最もヤバかったです。
足を踏み出すたびに、それが埋まる。この状態で走るのが死ぬほどキツかったです。
恐らく、この時期の通常の気温であるマイナス20度程度であったならば、地面がもっと固かったはず。
南極マラソンも経験されていた参加者の方が、「南極マラソンよりキツい、これは無理・・・」と言われていました。。
南極マラソンは極寒だと思いますが、地面が固いので、走りやすいのだと思います。
自然次第で、当日のコンディションが読めない・・・、これがアドベンチャーレースの醍醐味とのことですが、まさに読めませんでした。。
(まあ、ノリで出ているので、読むというほど、偉そうなことはしていないのですが・・・)
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コースは1周4.2kmを4周回るというものでした。(フルマラソンは10周)
「まあ、雪と言っても、7〜8分/km程度でいけるんちゃうか」
と楽観的に考えていましたが、実際は10分以上かかりました。(1周回るのに50分くらい)
1周目の時点で、これを10周回るのは無理ゲーであることを悟り、フルマラソンにエントリーしなかった自分を褒めてやりたいと思いました。
いや、これ10周は絶対無理やし。
フルマラソンを完走した方は、マジで尊敬します。変態です。
(ちなみにフルマラソンのエントリーは40名程度で、完走者は10名強。なかなかない厳しい完走率です。)
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4周回ってようやくゴールする時には、ヘロヘロでしたね。100kmマラソンよりもキツかったかも。。
地面が固いことのありがたさをはじめて知りました・・・。いやー、しんどかった。。
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レースの装備は・・・
参考にはならないと思いますが、完全初心者の筆者の当日の装備は以下の通りです。
〈上半身〉
- インナーはパタゴニアのロングスリーブ・キャプリーン
- その上にランニング用のウインドブレーカー
- 一番外にパタゴニアのトリオレット・ジャケット
〈下半身〉
- CWXのランニングタイツ
- その上にパタゴニアのジョガーパンツ
〈足〉
- ランニング用の5本指ソックスの上にユニクロの靴下の2重履き
- シューズはOn クラウド5 ウォータープルーフ
〈手〉
- ランニング用手袋の上にユニクロのヒートテックグローブ
〈頭〉
- ユニクロのヒートテックニット帽
こんな感じです。これ恐らく、軽装の部類だったと思います。
実際は、ダウンジャケットやフリース、風をブロックするズボン等も持参しましたが、レース前の気温を見て、最初から着用しませんでした。
そして、1周回ったところで暑かったのでニット帽とトリオレット・ジャケットは脱ぎました。
参加者には短パンで走っている方もいました。
つまり、今回のコンディションでは寒さは問題ではありませんでした。
ただ、これがマイナス20度の世界だったとすると、上記の装備だとちょっと心許ないかも。
途中から手と足は完全に濡れていましたし、上半身も汗でびっしょりでした。
後半はちょっと冷えてきて、手の指の感覚が無くなっていたので、極寒の環境下だと凍傷の危険もあったかもです。
装備は難しいですね。次もこれでいいのかは、正直、今も分かりません・・・。
手と足は完全な防水仕様にした方が良いかもですが、結局は何をやっても濡れる気はします。今回の装備に総じて後悔はないですね。
特にシューズは優秀でした。
(このレース以外では使用できないようなものは購入したくなかったのですが、Onのシューズは普段使いも可能です。)
総じて、最高なり
キツかった、としか書いていませんが、総じて、最高に楽しかったです(笑)
一面真っ白のあり得ない環境で走るのは、最高に気持ち良かったです。
「凍った海の上で走る」
というのは、前例のない試みだったと思いますが、これを実現させた主催者の皆さまの実行力には頭が上がりません。
「何かあったら、どうするの?」
というリスクを完全に排除することが難しい環境下で、万全の準備をし開催を実現させたのはすごいと思います。
数々のハードルがあったと思いますが、それらを乗り越えて、この変態レースを現実のものとした主催者の皆さまに改めて感謝したいと思います。
最高でした!ありがとうございました!
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宿泊したホテル
最後に、宿泊したホテルの情報を少し。
宿泊は会場の野付湾から車で40分程度の中標津市内の「トーヨーグランドホテル」に泊まりました。
決め手は、温泉があること。
これ、必須ですね。
レース後に温泉に入れる、というのは、本大会の欠かせない要素かと思います。
サウナもありましたし、ホテル内に居酒屋もあり、ベストチョイスだった気がします。
(ちなみに、想像通り、周囲に飲食店はあまりありません。特に会場周辺などはほぼ皆無です。)
ホテル内の居酒屋「炉ばた 開陽台」は周囲に居酒屋がないこともあり、宿泊者以外の近所の方も利用されるとのこと。
ホテルの方には、利用する場合は予約した方が良い、と言われました。
この「炉ばた 開陽台」なかなか優秀でした。
地元の方が普段使いしているお店ということもあり、ホテル内の飲食店なのにリーズナブルですし、定食もあって、居酒屋メニューもある、という使い勝手の良い居酒屋でした。
2泊しましたが、2日連続で夜はここで食べました。
(1日目はレースに備えて、ザンギ定食をがっつりと、2日目はレースの打ち上げでビールで乾杯!)
料理も美味しいですし、そして、生ビールには大ジョッキがあるのが、ポイント高し。
「大ジョッキ」
魅惑の響きです。大ジョッキがあるだけで、そのお店のリピート率が上がりますね。
変態レースに出場し、夜は変態仲間たちとデブリをしながら、ビールを飲む。
充実した至福の時間です(笑)
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トーヨーグランドホテル 公式HPはコチラ
ぜひ、第2回も開催を・・・
レース後には、大会事務局主催の公式なアワードパーティーが地元の公民館でありました。
フルマラソンを完走された猛者たちも数名参加されていました。
雪に足を埋め続けながら、あのコースを10周回った後にアワードパーティーまでやってくる、生粋の変態です。尊敬します。
皆さん、口々に、「今までで一番キツかった。」「もう一回出ようとは今は思えない。」と言われていましたが、
「絶対、みんな来年も来るんだろうなあ」
と思います。
そんな筆者も出ますよ!(たぶん、いや必ず・・・)
主催者の皆さま、改めて最高の大会をありがとうございました!!
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